ミキシング・マスタリングって必要なの?
みなさんミキシング・マスタリングといった、録音後の編集作業をどうしていますか?
「ミキシングなんか邪道である!そのままの音源で勝負するぞ!」
「たぶんやったほうがいいんだろうけど、どうやればいいかわからない。。。」
「わからないからお金払ってスタジオのエンジニアにお願いしているよ!」
など、グループによって状況はさまざまかと思います。
いろんな意見も承知ですが、断言します。ミキシング・マスタリング技術は必須です。
私はアカペラやっているので、4声での紹介です。
録音後編集を自分でやるメリット
ミキシング・マスタリングを勉強して実践するメリットを語り出したら長くなるので、別な記事で書こうと思います。
ということで、手順の紹介をしていきます。
私もサウンドエンジニアではないので、「もっとこうした方がいいよ!」などありましたらおしえていただきたいです。
日々勉強です。
ステップ1:取り込み
録音はトラックごとに録っておきます。これは後処理するうえで必須。
カメレ音楽隊ではこれを使っています。スタジオNOAHで100円/1時間で借りられるので便利。
ZOOM ズーム マルチトラックレコーダー 8トラック同時録音 16トラック同時再生 R16(amazon)
それを大事におうちに持ち帰り、パソコンに取り込みます。私が使っているCubaseの画面で説明しますが、まぁどの音楽ソフトでもだいたい同じでしょう。
ステップ2:無音部分カット
こんな感じでカットします。ここは月光第三楽章の、2ndのJouney旅Boyがロングトーンというおいしい箇所です。
つなげたらはい出来上がり。
息を吸う箇所をカットするかどうか好みが分かれると思いますが、息を吸う音はリアル感が出るので、あえて入れています。機械的にならないように注意です。
アカペラの場合、あまりきれいすぎるよりかは、息の音とか入って臨場感が伝わる方が個人的に好きなのです。
ステップ3:ノイズ軽減
こいつを使っています。
iZotope ( アイゾトープ ) / RX Plugin Pack(amazon)
買った時の話はこちらから。
マイクの接触が悪いときに「ジー」ってなる音を消すことができたり、後ろで話している音を消したりできます。画面はこんな感じ。
まあそもそも録音がちゃんとクリアにできていればこんなものは不要なのですが。。。前あまりにもノイズがひどいことがあったので、買ってしまいました。とても便利です。
ステップ4:音程補正
音の波形をいい感じで解析して、音程に分解してくれるので、高さを調整していきます。
ここで楽譜と違って歌っていたりすると、ショックを受けます。
あと、自分のピッチが低くて愕然とすることもあります。
ちなみに、カメレ音楽隊ではmittyとJouney旅Boyが高め、Captain岡崎とTaxたっくんが低めでとる傾向があります。
こういうところがわかると練習でも活かせますね。
どうしても個人ではなく全体で聴くと、なんとなくよさそうに聞こえて課題が見えてこないので、個別録音は技術力アップにもオススメ。
ステップ5:リード/コーラスのトラック分離
コーラスの厚みを出すために、あらかじめトラックを分けておきます。
全員がかわるがわるリードボーカルをやる場合は、ちょっと面倒です。一人だけリードボーカルの場合は不要です。
こんな感じ。カメレ音楽隊のアレンジは、リードボーカルがコロコロ変わるので、たいへんです。
ステップ6:タイミング補正
みんなで一斉に入るところで一人だけずれる、などのことがあるときも補正していきます。
まぁ必死に練習して、録音のときもお互いの動きをみているようにするので、基本的には大きくずれるときはありません。カメレ音楽隊もタイミングはほぼほぼ直していません。
多少のずれならむしろライブ感が出てよいです。
バーバーショップスタイルの最後とかはどうしても補正が必要だったのでしましたが。
ステップ7:音量調整
パート別の音量ではなく、一つのパート内での音量です。
リードボーカルのときだけ声が大きいのにコーラスになると小さくなる人、逆にコーラスで目立っちゃう人など、いろいろいるので、調整していきます。
ちなみに、以前BassOnTopでレコーディングしたときは、ここに一番時間をかけていました。感動的な要領のよさなので、ぜひ一度行ってみることをおすすめします。
ちなみに私はあまりここいじらないです。
音量が合いすぎていると逆に気持ち悪いので、程よくずれていた方がグループで歌っている勢いが出ると思うのです。
こんな感じで、一部音量上げたり、下げたり、です。
ステップ8:デュエッサー
一言でいうと、「サシスセソ」のあの不快な感じを取り除いてくれるというものです。
聞き慣れない言葉ですが、DeEsserです。つづりもなんか違和感ありますよね。
カメレ音楽隊ではコーラス3人にかけています。Jouney旅Boyはサ行が目立ちすぎることがあるので、強めにかけることが多いです。
ここまでが素材をきれいにする作業でした。
ここからはトラック同士や全体の音作りという段階です。
ステップ9:PAN
PANというのは、音が左右のどちらのどのへんから聞こえてくるか、を設定するものです。
個人的には、アカペラでPANは本当に大事です。
本当に大事。
やはりアカペラのよさって、違う声が混じりあうということですが、一方で一人ひとりの個性も出していかないと心を動かす音楽は作れないですよね。
そこで出てくるのが、PANですよ。
一人ひとりのパートがちゃんと分かれて聞こえるけれども、全体としては一つの音楽になっている、というのが理想な状態ですが、それに不可欠なものがPANです。
ムダにPANの重要性を語ってしまいましたが、大事なことなのでよいでしょう。
カメレ音楽隊ではいつもこんな感じの設定です。4人なので、いつも迷います。
ベースは真ん中の方に置きつつ、他3人は曲によって多少は変えています。
例えば、コーラス2人でハモることが多いなら、その二人を片方に置いて、もう片方の中心に近い方がベース・端が残りの1人。
ステップ10:イコライザー
これが難しいんですよね~。かなり重要ですが。
これは聴いてみて自分の耳を頼りにやっていくしかないのではないでしょうか。
下手にいじりすぎるとロボットみたいな声になったりするので危険です。
ベースは低音上げるのが好きなので、上げることが多いです。
コーラスは一番上と下をそれぞれ下げるくらいしかやっていません。
ということで、だれかおしえてください。
ステップ11:マキシマイザー
こういうシンプルな画面。
Theresholdを下げていくと音圧がいい感じに上がるという魔法のようなすばらしいエフェクトです。仕組みはあまりわかってないですが。
アカペラってどうしても音圧が低くなってしまって迫力がなくなるので、これは思い切ってガンガン上げます。ただし割れない程度に。
これもいいか悪いかわかりませんが、トラックごとにかけてます。マスターだけにかけるよりもよく聴こえたのでそうしてます。
ステップ12:コンプレッサー
大きい音を圧縮(コンプレス!)して、小さい音との差を縮めていくものです。
BassOnTopでレコーディングしたときサウンドエンジニアの方が、コンプレッサーはあまりかけない方がナチュラルに仕上がって、アカペラっぽくなるよーって言ってたので、かけすぎはダメです。
何でもほどほどです。
カメレ音楽隊では実はけっこうかけてます。個別にかけるときもあれば、全体だけのときもあります。
ステップ13:リバーブ
ホールとか残響のあれです。
全体に華やかさを与えてくれるのでとても大事な作業です。
これで全体の印象が決まります。
これもかけすぎはダメです。
プリセット使いつついい感じにしていきます。
かけすぎてお風呂状態になるときは、リバーブの低音部分をカットするとよく聴こえるようになるので、たまにやってます。
個別トラックにかけると設定がバラバラになってしまうので、FXというトラックに一つリバーブのエフェクトをかけて、それを個別トラックに配る、みたいなことをやってます。
ステップ14:その他
左右の広がり
いろいろ試してみて、使っています。
こういうのとか、
こういうの。
何度も言いますが、PANとかそういうのはアカペラで重要なので!
リミッター
ちなみにリミッター(音を割れないように最大音量を決めておいてそこを過ぎないようにするやつ)はかけてません。ぎりぎりを攻めます。
ステップ15:MS処理
音圧を上げるやつです。
センター(Middle)とサイド(Side)に分けて、センターと比べて小さくなりがちなサイドを持ち上げようよって発想です。
このあたりを参考にやってます。
まずMSに分割して、オーディオファイルを出力して読み込みます。
そして、サイドの方をマキシマイザーなりコンプレッサーなりで上げてあげて、MSからLRに変換したら完了です。
でも、MS処理する前と比較すると、音圧は上がったけれど演奏の勢いみたいなものが少なくなってしまった気がしたので、MS処理は使わないようにしました。アカペラとは相性よくないのかもです。もしくは私のやり方が下手なだけかも?
最後に
以上です!長くなりました。
実際はときには前のステップに戻りながら全体をみて最終調整をしていきます。
みなさんもぜひチャレンジしてみてください~。
【関連記事】
BassOnTopというスタジオで録音してもらったときの話はこちらから。プロにお願いするとやっぱり違います。
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