アレンジとは?
アカペラにとって、アレンジとはどういう位置づけでしょうか?
僕はグループの方向性をも決める一番大事な要素なんじゃないかなぁと思っています。
ということで、ハモラリアレンジ回にゲスト参加してきた話です。
集合写真!楽しかった!
私の中でのテーマは、「想いを伝えるアレンジ」でした。そこはブレないように、いろいろ詳細をお話していきました。
だいたい言いたいことは言えましたが、言い忘れたこともあったので、この場で補足していきます。
ゲストの方々
こんな感じの豪華メンバーでお送りしました。
【ゲスト紹介】しょーりん
第3回アカスピ優勝。アカペラグループ、くねとも、ウルトラ寿司ふぁいやーと多方面で活躍。
無所属にもかかわらずここまで活躍の場を広げてきたエンターテイナーの頭の中はどうなっているのか?
勝負曲の作りかたなんかも聞けちゃうかも、、! pic.twitter.com/VgwydxlCTc— ハモってラリアット! (@hamolari) January 16, 2018
【ゲスト紹介】山﨑健(ケミカルテット)
今回の最年少ゲスト!
KAJa!2017、JAM2017、第6回アカスピ決勝進出、某テレビ番組でゆりやんレトリィバァに口説かれる。
鳴声刺心のアレンジを支えるイケメンは、どんなことを考えて編曲しているのか?全体曲の話も聞けるかも? pic.twitter.com/P28089YdLE— ハモってラリアット! (@hamolari) January 12, 2018
【ゲスト紹介】ぺっちょ
第2回アカスピ優勝のしらゆりパジャマからぺっちょの登場!変幻自在の童謡アレンジで知られる彼女!
早稲田大ちょこくらんちを代表するアレンジャーとして、どんな哲学が聞けるんでしょうか?同期であり、アカスピ優勝バンド同士であるしょーりんとのトークにもご注目! pic.twitter.com/P0v9zGW8rA— ハモってラリアット! (@hamolari) January 19, 2018
【ゲスト紹介】たくま(カメレ音楽隊)
ボーカルアジア2017(香港)3位入賞&特別賞、光州アカペラフェスティバル(韓国)ゲスト出演 などアジアを股に掛けて活動するグループのアレンジャーが登場!
アレンジの他にもMV撮影など名監督の一面をもつ彼の作品作りの秘密に迫ります! pic.twitter.com/nMOOpb4IDm— ハモってラリアット! (@hamolari) January 21, 2018
【新ゲスト紹介】喜多爽(Goonies)
鳴声刺心の一時代を築き支えたマルチプレイヤー、あきら参戦!
Gonnies、ROCK OFF、毘沙門天、少年時代、大福など数々のバンドに所属、編曲を担った彼。
サークルライブの度に20曲は書き下ろしていたという逸話を持つ苦労人の彼からどんな話が聞けるのか! pic.twitter.com/PfmrdLcLdH— ハモってラリアット! (@hamolari) January 23, 2018
本番終えてみて思いましたが、アレンジをやっている奴らは自己主張とか個性が強い(いい意味で)と思いました。
個人的にとても刺激になりました。
トーク①:このアレンジがアツい!
たくま:My Favorite Things(by m-pact)
ゲストの人たちが、衝撃を受けたアレンジを紹介していくコーナー。
なぜか僕が先陣を切ります。
最初からm-pactです。5拍子です。実はパーカスありの方が好きだったりします。
お客さんが付いてきていない感を感じつつ、変態アレンジの魅力について語りました。
たしか、こんな話をしました。
- 5拍子という変なことをやりつつも、聴いてて心地いい
- 原曲になければ作っちゃえばいいじゃない!という姿勢(When the dog bites~あたり)
- メンバーの個性を活かしている(音域とか)
場が温まっていないところでm-pactトークはきつかったです。
ぺっちょ:ディズニーメドレー(by しょーりん)
ゲストで来ているしょーりんさんのアレンジをここで紹介。
「エー」のスキャットについて語りました。
スキャットでのせる想いが変わってくるというのが印象的でした。
僕のアレンジはコーラスも歌詞を歌うことが多くて、それは気持ちを乗せやすいからなのですが、スキャットでも気持ちは込められると気づかされたトークでした。
あと、しょーりんさんのアレンジも素敵ですが、ディズニーの曲はやはり夢があって素晴らしいですな。
しょーりん:蛍(by 蝉と、あの子)
実は蛍は、他のゲストの方も挙げたくらい、大人気曲となりました。
アレンジした本人からのメッセージもあり、何か対立するものがあってのこのアレンジにしたんだよ、みたいなことを言ってた気がします(あいまい)。
このアレンジは気持ちが入っていてよいなぁと感じました。
私も複数の人に「すごい!」と言ってもらえるような音楽を作りたいものです。
あきら:制服のマネキン(by Hi-DRYDE)
あきらさんがいかにこの曲が好きかどうかが伝わってくるタイムでした。
アカペラの基本技術はバッチリおさえつつ、たまにかっこいい英語の歌詞やフレーズを入れてきて、工夫に溢れている素晴らしいアレンジです。
あまりにも褒めるので、その場にいたアレンジのさかてぃさんは照れていました。
たけし・さかてぃ:時間なくなって紹介不可
残念。ちなみに、何個かトークテーマは用意していましたが、盛り上がりすぎて話せませんでした。「ベースラインの作り方」、「いいアレンジとは?」、などがありました。
でも盛り上がったのはよかったよかった。
ちなみにハモラリメンバーに聞いたら、今回は割とゲストがしゃべってくれる回だったようです。アレンジする人は語りたい欲が強いのかもしれません。
トーク②:後輩にアレンジを教えるなら何を教えるか?
ゲストの回答
しょーりん・さかてぃ:添削みたいに、書いてきてもらったうえで、「オレならこう書くよ」って示してあげる。赤ペン先生方式。
たくま:曲中で一番魅せたいポイントを明確にするようにアドバイス。アレンジ初心者ならとにかく褒める。でも実はほぼ後輩におしえたことはない。
ぺっちょ:曲全体のバランスが大事よね。
あきら・たけし:(あれ、なに話してたっけ・・・?汗)
そもそも後輩にアレンジを教えるべきなのか?
ここで、本番では言えなかった私の想いを書いておきます。
しょーりんさんの後輩思いのすばらしい回答の後で私がしゃべったので、これをしゃべったら、私がただの後輩に教えないやつだという印象を残すだけになってしまう予感がしたので、黙っていました。
私はそもそも、アレンジに関しては後輩に教えるものではないと考えています。
なぜかというと、アドバイスをすることでそれは私のアレンジになってしまうからです。
私が後輩に一方的におしえるのではなく、「何かいいアレンジなんだろう?」って考えてほしいのです。それがだんだん自分らしい音楽となっていくと思います。
なので、私にアレンジのアドバイスを求めても、「いいね!かっこいいね」くらいしか言わないことにしています。
では後輩に対して何もしなくてよいのか?、というと、そうではありません。
アレンジの楽しさを伝えてモチベーションを高くするとか、なかなかいい楽譜が書けないときに飲みにつれていくとか、そういう気持ち的なフォローが大事だと私は思うのです。
だから今回のハモラリでも、テクニックの話は特にせず、気持ちの話を中心にしました。考え方の話とか、曲に乗せる想いとか、アレンジのおもしろさとか。細かいテクニックは自分で学べばよいので。
打ち上げにて
という考えを私はもっていますが、打ち上げの席で話してみました。
アドバイスすることで、その人のアレンジになってしまうというのは「そうかもねー」って感じで、結局まぁ程度によるねーっていうことになりました。
トーク③:他バンドへの楽譜提供について
どのくらい提供した?
あきらさんやさかてぃさんあたりは、他バンドにたくさん提供していたと言っていたような気がしますが、他メンバーは多くはないって感じだったと思います。たしか。
あきらさんの場合は、提供か自分バンドか忘れましたが、サークルライブのたびに20曲くらい書いていたとのことでした。私は学生時代に多いときで10曲いかないくらいだったので、とてつもない数です。鳴声刺心は一度サークルライブのオーディションに提出した曲は、次から出しちゃだめよっていう文化があるらしく、どうしても多くなるらしいです。
ちなみに私は提供したことほぼないです。
理由は、こう歌ってほしいという想いが届かなくて残念なことがある+自分で歌いたい、って理由です。しょーりんさんの場合は、提供したら練習に参加してちゃんと認識を合わせるらしいです。それができるのはすばらしいことですね。
まぁもっと理想を言うと、練習に行かなくても意図が伝わるような楽譜を書くべきでしょうけど、なかなか難しいですよね。
提供では勝負曲を作れないのか?
盛り上がった話題がこれ。
それぞれのグループにて、「勝負曲」という、そのグループといったらこの曲だよねっていう曲って何かしらあるかと思います。
提供してもらった曲で勝負曲になれるのか?それとも勝負曲はグループ内で編曲をやることでしか作れないものなのか?ということです。
結論はこうです。
グループ内で編曲する方が勝負曲は作りやすい!
まあだいたい予想していた結論になりました。
理由としては、メンバーの個性や強み、音域や弱みをわかっているからこそ、そのグループが一番輝けるアレンジが作れるということでした。
もちろん依頼されて提供するアレンジでも、音域などを事前に聞いておいて、120%の力が出せるようなアレンジにしますが、どうしても限界があるのでは?という話でした。
音域の他には、その曲はライブ中でどの順番でどういう位置づけの曲なのか、といったことも、依頼されるときに聞くという話もたけしさんから出ました。ヒアリング力、大事です。
あと、論点として出たのが、メンバーの成長を考えると、出しやすい音ではなくちょっと無理なことも要求した楽譜を書くべきではないか?という話も出ました。
これはバンド運営論とかそっちの話にもなってくるので、どうあるべきかは難しいところではありますが、「ちょっとハードルを上げた楽譜を書く」ということも、メンバーの情報を詳しく知っていないとできないので、やはりそういった点もコントロールできるというのも、メンバーがアレンジするメリットかなぁと思います。
この話題が出るあたりからもわかるように、アレンジというのはバンドの核となる部分だと改めて感じました。
「どこを目指すか」で答えは変わる
でもここで思いました。本当にそうなのだろうか?アレンジやっている人が集まっているからそう言っているだけじゃないの?と。
本番では時間の関係上深く突っ込めませんでしたが、改めて考えてみました。
まず考えられるのが、「提供されたアレンジ(プロアカペラのコピー含む)で、厳しい審査がある有名なイベントに出ているグループもたくさんあるじゃないかよ!」って意見です。
たしかにそうです。ですが、これは最終的にどこを目指すかによって答えが変わってきます。
どういうことかというと、有名なアカペライベントに出ることを最終ゴールとするならば、提供された楽譜でも十分達成可能かと思います。イベントによって評価ポイントはあれこれあるかと思いますが、ハーモニーを追求したりエンターテインメント性を追求したりすれば、自分の楽譜でなくても実現はできます。
しかし、私の最終ゴールはそこではありません。
私のゴールは、音楽を通して自分の気持ちを表現して、多くの人の心を動かすことです。
そう考えたとき、自分たちのグループでアレンジして、あれこれ言いながら楽譜変更などして表現を詰めていき、最終的にステージでアウトプットする、というプロセス自体、ものすごく価値があることだなぁと思うのです。
あとは単純に、曲に対する思い入れなんかも強くなるかも。それによって、気持ちがもっと曲に入って、いい音楽ができるんじゃないだろうか。
だいぶ理想論を語りました。みなさんはいかがでしょうか?音楽を通してどこを目指すのだろう?こういうのはメンバー内で話してもおもしろいですよね。
企画①:楽曲プロデュース~チョコレイトディスコ~
スーパーカオスなアレンジにしてしまいました。アレンジの意図とか、詳しく別記事で書こうと思います。
歌っていただいたのは、みのさん、ありなさん、川越さん、さかてぃさん、なかけんさん、ほくと、でした。テンポが変わるので、さすがに数回の練習ではキツそうでした。(ごめんなさい)
楽譜、こちらにあります。無料でダウンロードできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
他の方もアレンジしてましたが、意外とかぶらずにいきました。
個人的に印象的だったのは、ぺっちょさんのボサノバアレンジでした。おしゃれ~でした。
企画②:ゲスト提供のアレンジで歌ってみたコーナー
ゲスト(+さかてぃさん)の人たちが、過去にアレンジした曲を実際に歌ってみよう、というコーナー。
動画がアップされるみたいなので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
こんな感じで発表でした。
- たけしアレンジ→プリンセスメドレー
- さかてぃアレンジ→アリアナグランデメドレー
- あきらアレンジ→私以外私じゃないの
- たくまアレンジ→美女と野獣
- ぺっちょアレンジ→犬のおまわりさん
- しょーりんアレンジ→ワイルドチャレンジャー
ワイルドチャレンジャーをありなさんが歌うという斬新なパート割が最高でした。他の曲も、アレンジに一味加えたもので、おもしろかった!
最後に:いいアレンジとは?
ラストのあいさつで、ゲストとしていいアレンジとは?という話をかんたんにしました。
かんたんにここにまとめたので、そちらもぜひ。
自分の考えをまとめるにもいい機会となりました!
番外編:楽屋トークなど
どんな音楽経験をしてきたか
その人の音楽経験によって、アレンジのカラーが出るという話を楽屋でしてました。
私自身の音楽経験はここに書きました。
しょーりんさんはダンスミュージック系、ぺっちょさんは何か楽器をやっていたって言ってた気がします(たぶん)。
ベースラインをどう作るか
これは事前にどんなテーマでトークをしてほしいか、ツイッターで募集したときに出た質問。当日は時間の関係とかでできませんでした。
この話、楽屋でしていたのですが、明確ないい方法はなく、みなさん何となくやっていました。
なので、ベースをやってみるといいんじゃね?っていう結論になりました。←参考にならない・・・!
また、作業順の話になってしまいますが、人によっては、リードとベースを先に打ち込んでしまってからコーラスをつけるという方法もありますね。
でも個人的にはこれ、おすすめしません。
私の考えでは、リード・ベース含む全員でハーモニーを奏でたい!という考えなので。もちろん、ロックバンドとか、そういう系のグループならよいかもですが。
シシカバブのコード進行にダメ出しするアレンジャーたち
打ち上げでの話です。
オープニングアクトで「虎洞」さんというグループが、ゆずのシシカバブを歌っていました。
動画ありました。
そのメンバーも打ち上げきていましたが、コード進行について、疑問が出てきました。
曲のキーはEメジャー。
問題となったのは、サビの「愛を贈ろう~」のコード。1つ目はEとして、2つ目がどうなるか?という話。
- 虎洞アレンジでは、Eのまま
- ゲストアレンジャー陣は、G#
でした。
私も、G#でしょう、と思いました。G#mでも間違いではないですが、物足りないんですよね。ドラマチックにするために、ドのナチュラルがほしいんです。
それを踏まえたうえで、さらなる選択肢として、2小節目始めで変わるのはなく、後半3拍目でコード進行が変わるのもありなのでは?と思いました。
(1小節目)E
(2小節目)E→G#
これならけっこう自然な進行となるので、個人的にはこっちがおすすめ。
結論:アレンジャーが集まる飲み会は怖い。
動画
たぶん後日公開されるので、ぜひ見てくださいね!
最後に
貴重な経験させていただきました。ライブに足を運んでくださったみなさま、共演したゲストのみなさま、ハモラリのみなさま、ありがとうございました!
しかしやっぱしゃべるのは苦手だなぁ。
コメント