コラボしたよ
Shimo-Renくん、ちひろくんとコラボさせていただきました!!
レコーディング、撮影、楽しかったですし、素晴らしい作品ができ、ほんとにうれしいです。
ライブも最高に楽しかったです。
ちひろくん、Shimo-Renくん、ライブに来てくれた方々、動画を見てくれた方、ありがとう!
ということで、感謝の気持ちを込めつつ、アレンジ解説をしていきます!
楽譜も公開しているので、ぜひ楽譜も見ながら「あーなるほど!」となってくださいね。
メドレーに入っている曲数はこの記事の最後に発表です!!
まずは1回通しで、どうぞ。
メドレーアレンジのコツ
メドレーのアレンジを何曲かやってきた経験から、コツとしては、こんな感じでしょうか。
①ただ曲をつなげるだけではなく、ストーリーを入れるべし
↓の全体構成のとこで詳しく書きますが、ただ曲をつなげただけではつまらないですよね!
あと、小ネタを入れるために、いろんな人からアイディアをもらうのが大事だと思います。特にメドレーは。
②長すぎはダメ、ゼッタイ
長くても7分以内にはおさめないと、聴いている方がきついかなと思います。
今回はたくさん曲を入れたかったので、どれもジブリの素敵な曲だけに、削るのがけっこうきつかったです。
例えば、最初のシネマノスタルジアとか、本当は金曜ロードショーと同じで2周しっかり入れたかったのですが、全体バランスをみて、泣く泣く削りました。
③1曲1曲をちゃんと聴かせる
これは別のメドレーをRAGFAIRの引地さんに講評いただいたときに言われたのですが、せっかくおもしろいメドレーなので、1曲1曲をちゃんと聞きたい、と言われました。
トータルの曲の長さをおさえようとすると、1曲ごとの時間がどうしても短くなるので、バランスが大事です。
ちなみに、カメレ音楽隊のメドレーはやりたいことを詰め込みまくってカオスになりがちですが、それも個性!と割り切っているところもちょっとあります笑。
④キー(調)は曲間でなるべく変えない
なるべく変えない前提で、変える必要がある場合は、リードの最高音と最低音が許容を超えない範囲で、スムーズにつないでいくようにしています。
例えば、キーがCの状態だったら、調号が1個違いのFとかGでもいいですし、メジャーマイナー裏返しの関係のE♭(Cm)かAとかでもスムーズにつながると思うので、曲の性質、リードの高さとか、いろいろ考えつつ、やっていきます。
ちなみに、カメレ音楽隊のメドレーはB♭やE♭が多めなのですが、それは私が♭の調が好きだからです。
全体構成
私はまず設計図みたいな、全体像を描いてから音を置いていくのですが、メドレーは構成が命!みたいなところがあるので、設計図は本当に大事です。
まず、全体のイメージとしては、美術館みたいな雰囲気にしたいと思いました。
当初、この曲は海外遠征で歌おうと思い、これまでのカメレ音楽隊にはなかった、「上品さ」を前面に出すことで、たぶん新しい境地が見えるんじゃないかな、というグループとしての新しい挑戦、という視点ももったアレンジ方向性にしました。
美術館といったら、特別展とか、一つ目の部屋では「Ⅰ:~の幼少期」みたいな、テーマが部屋ごとにあったりしますよね。
なので、メドレー1曲を通して、いろんな部屋をぐるっと回る、というイメージを描きました。
というイメージをもって、カメレ音楽隊メンバーでこんな感じでブレストしました。
話しながらつばさがいい感じにまとめてくれました。
「ハウルゾーン」など、いくつかのエリアがあり、そこを巡っていく構成です。
曲候補を出して、おもしろポイントをいくつか入れていきます。
おもしろポイントはアイディアマンのつばさのがほとんどだったと思いますが、この時点で「風つながりマッシュアップ」と「となりのポニョ」が出ていますね!
金曜ロードショーのテーマであるCinema Nostalgiaが最初に入れるので、最後の時系列のEvolutionパートでもバックミュージック的に入れる想定で計画していましたが、後々変拍子であることがわかったので、方針変更することになりました。金曜ロードショーのテーマが変拍子であること、これまで意識したことなかったよ。
ちなみに、このときはコラボの話はまだなかったので、4人前提の楽譜を完成させることを目指します。しもれんくんパートは後付けです。
この状態からは、あとは一人で組み立てるだけなので、一つ一つ整理していきます。
いろいろ考えて、5つシーン分けとしました。
シーン1:上映開始
シーン2:軽快ワルツ
シーン3:壮大ドラマチック
シーン4:元気ワクワク
シーン5:Evolution(作品時系列)
ジブリ作品の世界観としても、なつかしさだったり、子どもの楽しさやわくわく、自然や争いなどの深い問題意識、などあると思うので、合っているかなぁと。
このスケールを1曲にまとめるのは、なかなかたいへんですが、やってみます。
参考音源探し
曲決めのときに重要なのは・・・
他のグループで似たようなことやっていないか?ですね!
なんとジブリメドレーは意外とYouTubeに動画少なかったです。
再生数多そうなのが、↓の2つかなと。
1個目は韓国でお世話になった、EXITの方々。韓国で対バンやって、夜中3時くらいまで飲んだような記憶がありますが、楽しかったです。
安定感が抜群だった記憶あります。とりあえず、300万回以上再生の名演奏のこのメドレーを超え、「ジブリメドレーといったらこれ!」というスタンダードを作ることを目標にしました。
ちなみにメドレー内は8曲。曲数では圧勝です!!
しかしカメレ音楽隊のメドレーに入っていない「菊次郎の夏」と「ふたたび」(千と千尋の神隠し)があるのは、なかなか渋いな!、という感じです。
「ふたたび」は、前にジブリアカペラグループ「こるまーる」とコラボしたときに演奏した思い出の曲なので、入れるか迷ったのですが、しっくり入るとこなかったので、カットしました。
あと、EXITのこのメドレーは、スキャットの使い方がうまいので、とても参考になります。となりのトトロのとこが特に好きです。もしかして、ネコバスの曲を意識しているのかもしれない、と今思いました。
2個目はPitchPerさん。メドレー内曲数は9。こちらも数の力で、圧勝!
あと、美人ギャルバンなので、カメレ音楽隊と全然競合にならないので安心です。
シーン1:上映開始
ここからはシーン毎に解説していこうと思います。
シーン1は、ノスタルジックに、金曜ロードショー的な雰囲気で、これから始まるよ、という感じを出したいシーンです。
ここは、原曲に忠実に作りました。
子どもの頃に金曜ロードショーを楽しみにしていた記憶がよみがえってきますね。泣ける曲です。
原曲はGmだったのですが、一番上が高すぎた(高いファ)なので、Dmにしました。
最高音はドになって歌いやすく、最後Dm→Dになるので、次のGmにうまくつながる調になりました。
ちなみに、たむらまろは原曲通りのGmですね。やっぱこの調だとしっくりくる感はありますよね~。泣く泣く調を変えました。
あと、やはり4人だと、使いたいおしゃれ音が足りなかったりして、けっこうこれは苦労しました。
例えば、つばさのここの音の飛びは、普通は使いたくないのですが、どうしてもここはドの音がほしくて、けっこう無理して入れました。
たむらまろと比べても、2人少ないので、けっこう違ったサウンドになっていますが、カメレ音楽隊のも、シンプルで素敵なサウンドに仕上がったと思います。
表現面としては、全員の音が消えるとこの空白をかなり大事にしています。この空白で伸ばしてしまうと、だいぶ印象が変わります。空白で感動を作りたい!、という意図です。
アカペラグループのジャミンゼブのスティーブさんに以前聴いていただいたときにアドバイスをもらってそうしたのですが、しっくりきました。ありがとうございます!
シーン2:軽快ワルツ
ここからは、始まった感を出すために、明るくさわやかにワルツ、にしました。
「人生のメリーゴーランド」は、コード進行がきれいで、明確な正解のコードがわかりづらいので、ちょっと苦労しました。
コードは、細かくこだわりだすとキリがないので、ある程度、複雑にしすぎないように割り切っています。
例えば、こことかは、シ♮→ドとかにすれば、もっとおしゃれになると思いますが、聴いてる人がそこまで気にするかと言ったら、そうでもないので、そこまバランスかなぁと。
ただ、17小節目のラ♭だけは、どうしても入れたくて、入れました。原曲では、終盤の盛り上がるところでこのコードになるのですが、使っちゃいました。
演奏は、これを参考にしています。ベースの3拍子に入るところで、雰囲気を作れるかどうかがとっても重要です。
この演奏の3拍子になるとこの装飾音の感じがかっこよくて、1音少ないと思いますが、不自然にならないように入れました。↓かっこよくないですか?
その後は、ハウルつながりで「世界の約束」、千と千尋の神隠しから連続で、「いつも何度でも」、「いのちの名前」(あの夏へ)につながります。
なるべく作品は同じのを連続したほうが、世界観が途中で途切れないので、よいです。
「世界の約束」は、「時のはじめからの~」のコード進行を原曲から変えておしゃれにしてます。
B♭(シ♭・レ・ファ)から、ファ→ファ#→ソ→ラ♭みたいな感じで、半音ずつ上がっていくやつ(クリシェ?)を使っています。
「いのちの名前」は、原曲は4拍子ですが、3拍子に変換しています。夜にワルツ的なノリです。
ちなみに、「いのちの名前」は歌あり、「あの夏へ」はインスト、というタイトルが使い分けられているようです。
ジブリの他の曲でも何曲かありそうでした。へぇ。
【おもしろポイント!】
「いつも何度でも」→「晴れた日に」のつなぎのところ、実は歌詞からスムーズにつなげています!
歌詞が「きっとあなたに会える」なので、最後の「る」から、「ルールールルー」になっています。気づきましたでしょうか?あと、さりげなくB♭→E♭にここで転調です。
ここです。
その後、魔女の宅急便つながりで、「やさしさに包まれたなら」が入りますが、これも3拍子に変えてます。
うーむ、夜にワルツ。
最後もそのまま魔女の宅急便つながりで、「海の見える街」です。
これも3拍子に変換!
シーン3:壮大ドラマチック
ここからは、壮大で、重くて、ドラマチックで、ダークなところもありの、ジブリの作品の奥深さを表現したいパートです。
もののけ姫とかナウシカで、森の奥底に行ったような感じから、夜が明けてダイナミックな景色が広がるようなシーンまで、感動的なエリアにしたくて作りました。
このメドレーはシーン間の転換をしっかりしたいので、ちゃんとシーンごとに終わらせています。
あと、前のE♭(Cm)→A♭(Fm)に転調しています。Cmで終わったドの音を引き継いで、リードボーカルのドになっているので、自然に転調できていると思います。
「アシタカせっ記」は、たつおのリードは、いろいろ迷走した結果、「ボイス二胡」に落ち着きました。
最初オクターブ下げとか、ルルルのスキャットから2周目でラララにする、とかいろいろ試した結果の「ボイス二胡」。前のライブで二胡よかったよ!と言われることあったので、たぶん正解でした。
ちなみに、二胡はこれです。
香港のVocalAsiaの飲み会で、台湾の人に出し方レクチャー受けた記憶あります。下を巻いて後ろにして、「Wu」みたいにするらしいです。
コーラスは、「ハン」と「ホン」の間のよくわからないスキャットの統一に苦労しました。
ここは、コード進行もよくわからないのにしているので、謎な感じが出せていると思います。通常D♭→E♭→Fmだと思います。
「アシタカとサン」は、夜が明けて日が昇ってきて希望を感じるイメージしました。歌詞あるかな?と思って探したら、久石譲さんの娘さんが作詞したようでした。へぇ。
ナウシカ入ってからは、ダブルベースにしたり、マッシュアップ入れたり、いろいろ盛り込んでいます。
【おもしろポイント!】
ここはなんと風マッシュアップになっています!!おっしゃれ~。
どんな風の曲が入っているか、感じられましたか??
こんな感じで入っていました。ジブリで風が入る曲は意外とあるんだなぁ。
- ナウシカレクイエム(風の谷のナウシカ)
- 風の谷のナウシカ(風の谷のナウシカ)
- ひこうき雲(風立ちぬ)
- 風の通り道(となりのトトロ)
- 鳥の人(風の谷のナウシカ)
- 風になる(猫の恩返し)
シーン4:元気ワクワク
ここからは、元気、わくわく、楽しい、ドキドキ、夢あふれる、幼女、稚魚、なパートです。
ジブリの作品って、哀愁とかだけでなく、元気で楽しい気分になる、という作品やシーンも多くあるので、それを表現したいと思いました。
あと、メドレーの中でも緩急をつけるために、ここで一番盛り上げるパートをもってきたい、という意図もあります。
あと、しもれんくんのパーカスがすばらしいです!特にポニョの疾走感はさすがという感じです。
また、ライブで手拍子いただいたときに、長めにできるようにしています。メドレーってどうしても次に別の曲に変わってしまうので、手拍子がしづらいんですよね。
それを克服するべく、テンポはトトロ~ポニョまで、一定にしています。
キーはCで、前がFm(A♭)だったので、ここのつながりはスムーズではないのですが、入りはmittyだし、だいぶ雰囲気変わるから、仕方なし、となりました。
このエリアは、どうしてもC系のキーにしたいのです。
「さんぽ」は、ブルース的なコードを使うと、勢いもありつつ、おしゃれ感も出せるかな、と思って、使っています。
ド ミ♭ ファ ソ シ♭
みたいなスケールです。
「となりのトトロ」は、リズムをどうするか、かなり迷いました。
最初にアレンジしたときは、「さんぽ」からきれいにつながるように、シャッフルにしていて、ポニョで一気にシャッフルでなくして変化をつけよう、としていたのですが、
実際に合わせてみると、「となりのトトロ」の疾走感がなくなってしまったので変えました。
あと、↑で紹介した韓国のEXITのジブリメドレーをリスペクトして、マネしました。完全コピーではなく、音とかリズムはちょっと変えてますが。
「秘密の暗号~」のここです。
これ聴いてて、バックにネコバスの曲をちょっと盛り込んだら、もう一曲増やせたなぁと思ってしまいました笑。
【おもしろポイント!】
なんといっても、「となりのポニョ」です!このメドレー内で一番の魅せどころといっても過言ではないです。
「となりのトトロ」の「となりの~」と歌って、「あ、トトロがいよいよくるぞ~!」と気持ちを高めておいて、「ポニョなんかい~」というオチです。
ここ、あまりにスムーズにつなぎすぎていて、ライブで歌ったときに、気づいてくれるかどうか不安に思っていたのですが、2022/11のソラマチにて披露したときに、お客さんがちゃんと気づいてくれて、一気に場が温かくなりました笑。
歌う方も、けっこう表情とか動きとかで、くるぞ~という感じを出しています。
他には、さんぽ~となりのトトロ~ポニョでの見どころは、mittyの歌声の変化です。
- さんぽ→5歳児
- となりのトトロ→歌のお姉さん
- ポミョ→稚魚
といった感じで、うまく使い分けています!さすがのカメレオン感です。
シーン5:Evolution(作品時系列)
最後のパートは、Evolution of Studio Ghibli、ということで古い作品から新しい作品までを時系列に並べました。
ここはパズルみたいな感じで、きれいにまとめるのが、とても難しいパートでした。
イメージ的には、年表とかエンドロールな感じです。
キーは、C→Cmなので、ドが共通なので、スムーズにいけました。
音源は、このへんのを聴き込みました。
まず、何小節に詰め込むか、を決めてから、あてはめていきました。
時間的にも、おさまり的にも、4小節×4周での16小節で、何とかおさめよう、となりました。
こんなにジブリ作品あるのに、16小節におさめるという無謀なチャレンジ。
バックに流れるのは、ナウシカの「風の伝説」にしました。
ジブリ最初の作品であることと、映画のエンドロールみたいな雰囲気を出すのに最適だと思って、これにしました。
たくま+たつおで「風の伝説」をバックで演奏するとして、残り2人でジブリ作品を網羅していきます。
※しもれんくんコラボはこのアレンジ作った後に決まったので、しもれんくんはハモリとか曲を増やすのは入っていないのです・・・!
【おもしろポイント!】
凝縮させる必要があったというのもあり、別作品の歌詞をつなげた言葉遊びみたいなものを入れています。
「あの地平線 輝くのは トトロ」
「崖の上に 続いてる ひこうき雲」
いやぁ。謎の歌詞です笑。
カオスな中に、統一感を持たせるために、途中からバックミュージックが「カントリーロード」になり、全員で「ゆけばー」で合流させています!
曲の中でメリハリをつけるには、ごちゃごちゃした感じと、統一した感じがうまくバランスよく含まれると、聴きごたえがあるアレンジになるんじゃないかな、と思ってます。
ということで、最後はきれいな統一感ある「風の伝説」に戻ってきて、Fin.です。
全体を通して、笑いあり涙あり、メリハリがあるアレンジができたのかな、と思います!!
メドレーの曲数
YouTubeのコメント欄で、何曲見つけた!というコメントくださった方もいましたが、数えていただき、ありがとうございます!!
正解は・・・
27曲です!!
いやぁ。詰め込みましたね。
今後ジブリメドレーでこの曲数を超えるのはなかなか出てこないんじゃないかな。
これ以上詰め込むと、ただいっぱいつなげただけになっちゃうので、音楽性・芸術性とか保てる限界を狙っての27曲でした。
- Cinema Nostalgia
- 人生のメリーゴーランド (ハウルの動く城)
- 世界の約束 (ハウルの動く城)
- いつも何度でも (千と千尋の神隠し)
- いのちの名前 or あの夏へ (千と千尋の神隠し)
- 晴れた日に (魔女の宅急便)
- やさしさに包まれたなら (魔女の宅急便)
- 海の見える街 or めぐる季節 (魔女の宅急便)
- アシタカせっ記 (もののけ姫)
- アシタカとサン (もののけ姫)
- ナウシカレクイエム (風の谷のナウシカ)
- 風の谷のナウシカ (風の谷のナウシカ)
- ひこうき雲 (風立ちぬ)
- 風の通り道 (となりのトトロ)
- 鳥の人 (風の谷のナウシカ)
- 風になる (猫の恩返し)
- さんぽ (となりのトトロ)
- となりのトトロ (となりのトトロ)
- 崖の上のポニョ (崖の上のポニョ)
- 風の伝説 (風の谷のナウシカ)
- 君をのせて (天空の城ラピュタ)
- 愛は花、君はその種子 (おもいでぽろぽろ)
- 時には昔の話を (紅の豚)
- 海になれたら (海がきこえる)
- いつでも誰かが (平成狸合戦ぽんぽこ)
- カントリーロード (耳をすませば)
- もののけ姫 (もののけ姫)
たくさん聴いてね!!
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