【アレンジ解説】Quapに提供した『上を向いて歩こう』

楽譜

珍しく提供アレンジです

私はあまりアレンジは他グループには提供したことないのですが、珍しくやりました!

Quapは昔からなにかとお世話になっているグループで、私にぜひ!ということで、数年前にアレンジしたのですが、この度動画を公開することになった!ということで、思い出しながらアレンジ解説してみようと思います。

ちなみに、楽譜提供時のアレンジ意図なので、最終的なQuapの表現とは違うかもなので、そこはご了承を。

とにかく、素敵な動画になっているので、ぜひ見てくださいね!

 

歌詞から全体像を整理していく

グループからのリクエストとしては、初め英語の歌詞を入れてほしい、ということだけだったと思うので、割と自由に、せっかく私がアレンジするのでカメレ音楽隊感を出して、という感じでスタートしました。

私は基本的にはストーリーとか、歌詞がうまく伝わるようなアレンジを目指しているので、まず歌詞を見て、うーんどうしようかな、といろいろと考えました。

 

みなさんは『上を向いて歩こう』の歌詞の意味を考えたことありますか?

私は、なんかメロディーと一部歌詞は聞いたことあるけど、あまり歌詞を意識したことなかったのですが、

この曲は、曲調がポップな割に、けっこう悲しい曲なんです。

どうでしょう。悲しいですよね。

一人で溢れる涙がこぼれないように上を向いてるらしいです。

あと、ずっと「一人ぼっち」だと思っていましたが、「一人ぽっち」みたいです。へぇ。

 

英語版の歌詞は、ここを使いました。

けっこうストレートに、愛する人が離れてしまった、ということになっています。

If only you were here
You’d wash away my tears
The sun would shine once again
You’d be mine all mine
But in reality, you and I will never be
‘Cause you took your love away from me

 

ということで、アレンジのテーマとしては、

大切な人を失った悲しみを乗り越えて、一人でも強く前向きに生きていこう

にすることにしました。

原曲との違いとして、悲しみを前面に出すことで、アレンジの個性も出るんじゃなかな、というのも考えました。

ちなみに、英語版のタイトルは「Sukiyaki」です。なんでやねんって感じですが。

 

全体構成

テーマが決まったところで、最大の見せ場は、終盤で泣き崩れるような感じにしよう、というのは初めに決め、そこから前後を足していきました。

歌詞の中に、「春の日」、「夏の日」、「秋の日」が出てくるので、季節が移り変わるのを表現できたら素敵だなぁというのも思ってました。

あれこれ考え、こうしました。今が冬だとして、今はなき大切な人との思い出を季節ごとに振り返っている、というシチュエーションです。

  1. 冬の風が吹く殺風景
  2. 春の楽しい過去の回想
  3. 夏の楽しい過去の回想
  4. 秋の紅葉が広がるようないろんな思いが出てくる回想
  5. 冬の部屋の中で悲しみをかみしめている
  6. 春・夏・秋の思い出がすべてよみがえって号泣
  7. 強く生きることを決意

という壮大なストーリーが出来上がりました。

 

1.冬の風が吹く殺風景

この曲は、Eメジャーの調なのですが、Emぽいイントロにしました。

たしか、「シ」で伸ばしながらメロに入りたかったので、こうしました。

悲しい感じが出ているんじゃないかなと思います!

 

2.3.春+夏の楽しい過去の回想

ここらは回想のイメージで作りました。

楽しい感じを出しつつ、和音は複雑にして、楽しさの中に悲しみやなつかしさも表現しようとしました。

ちなみに、リアレンジしたみたいで、私がとても気に入っていた和音は複雑すぎてカットされてしまいました笑。

確かに複雑なんだけど、いいと思うんだけどなぁ。みなさんはどっち派でしょうか。

あと、ベースラインがなめらかなので、安心感みたいなのもあるのかなぁと思います。

E/G#から始まり

G#→A→B→C♮→C#→B→A#→A→B→C#→D♮→D#

になっています。

 

4.秋の紅葉が広がるようないろんな思いが出てくる回想

ここは、ヒロくんのベースを魅せたいと思い、ソロ的なところ作ったうえで、いろんな思いが混じってくる感じを、リード回しで表現しています。

ヒロくんのベースが温かみがあってよいですよね。

 

5.冬の部屋の中で悲しみをかみしめている

ここで冬(今)にシーンが戻ってきます。

あぁ悲しいなぁというイメージです。

歌詞の悲しみを強調するようにコーラスを作っています。

 

6.春・夏・秋の思い出がすべてよみがえって号泣

ここからが一番の見せ場なのですが、ごちゃごちゃしてから、まとまって、見せ場にいく、というもっていきかたはけっこう考えて作りました。

カメレ音楽隊のアレンジでもよく使っているのですが、決め所でユニゾンみたいに、みんな集約するところと広がるところがあると、メリハリがついて良いので、おすすめです。

あと、号泣シーンなので、歌い方としても、とにかく泥臭く押して押して押しまくるように歌ってほしい、という感じでQuapにはお願いしました。

けっこうおしゃれな和音ではあるのですが、ここを楽しそうにおしゃれに歌われると、この曲が台無しになるので、ここはすごくこだわりました。

あと、4週目の和音は私が提供したときから改良してもらったみたいで、良くなっててびっくりしました!

 

7.強く生きることを決意

曲の終わりをどうするか、すごく悩みました。

たぶん1週間くらい悩んで、こうしました。

強い気持ちを表現するために、ぐわーって広げて、最後にユニゾンにして、一人ぽっち感を出すようにしました。

 

ということで、アレンジした側としてとても楽しかったです。

これを読んだうえで聞くと新たな発見があると思うので、ぜひもう一度聞いてみてくださいね。

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